弊社の空気浄化装置は、化学物質過敏症の方が購入やレンタルでよく使われています。
ただ、残念に思われるかもしれませんが化学物質過敏症の方向けに開発設計したわけではありません。エアネックスはVOC濃度を下げることに特化し設計されています。構成上、VOCだけでなく、多くの化学物質も分解しますし、強力な除菌能力もあり、PM2.5などの除塵能力も有しています。
九州大学の教授が開発され共同研究で製品化したもので、他社品と比較しても突出した性能を誇っています。他社品にはほとんどない低濃度のVOC除去が得意です。
当初は業務用で化学工場や印刷工場の作業場や事務所で使われることを想定し、家庭用ではシックハウス対策で使えるかもと考えていました。化学物質過敏症については言葉は知っていても発症のしくみや症状など詳細は全く知らずにいたのが実情です。
ただ、化学物質過敏症の方から使えるのではないかと言われ試用してもらったら好評で,CSの会などにお邪魔して色んな方に試用してもらったらかなりの率で好評でしたが効果を実感できない人や合わない人もおられ感想を聞いてもあまりにも個人差が大きく商品として出すには無理があると強く感じました。今もそうなのですが多くのCSの方から改善策のアドバイスや新製品の評価をしていただいたりして今に至っています。
CSの方の多くは、私たちが鼻で感じたり計測機で測定したりするよりも遥か高感度でわかられるので、私たちがCSの方に満足して頂ける製品作りは到底無理だと感じています。できる限りの努力で作るしかありません。
CSの方に協力してもらって新製品の評価や生産時のにおい管理なども確認してもらったりしているので市販の空気清浄機に比べたらはるかにプラスチック臭はないですし、におい自体があまりないはずです。
工場でここまで管理すると意外とコストがかかります。
使えない消耗品があったりオイルを使わないようにしたりすると手間がかかり
コストは驚くほど上がります。
もちろん、弊社で作業する人は基本的に柔軟剤入りの洗剤は自粛してもらっています。香水など匂いがするものも当然自粛してもらっていますが、すべて徹底することはなかなか難しいです。通勤や宅配業者さんや荷物などで移香するし、管理はしていても社外の人まで徹底してもらうのはかなり難しいものがあります。
そこまで徹底させるべきであるという厳しい意見も頂きますが工程や工場の構造を変え、出入りも制限し無人で生産するような投資が必要なのでしょうが
残念ながら私たちに資金力がありません。
CSのお客さんからにおいがするので返品すると言われて戻ってきた製品調べても計測器でも鼻利きの従業員が嗅いでみてもわからないことがあったりもします。これが現実でどう改善するのかいつも議論しています。
私たちの会社の本業は実は空気清浄機などでなく、医療機器や通信機器など電子機器の開発設計の請負会社です。
大手家電さんや有名メーカーの設計のお手伝いや新製品の試作品を作ったり
するのが本業で空気浄化装置はまだ育っていません。
社会貢献のため大学との共同研究での成果を商品化し、生活の質向上のために提供している事業です。企業なので利益を出さないといけませんがいまだに赤字事業でやっています。
クレームも受けますが「呼吸がラクになった」「空気がよくなった」「助かった」など肯定的なものが圧倒的に多く、わざわざ使用レポートや感想を送ってくれる方もおられ、社内での改善検討会に役立たせてもらっています。
利益追求型の企業であればすぐ断念する事業です。
一生懸命作ってもクレームとなり厳しく追及されることもあります。
宅配便で移香があってもダメで業者を選ぶこともあります。
まだまだ、宅配の方が香害を知っていることは少なく説明はしているのですが
全国の宅配業者さんにわかってもらうことは現実に難しいです。
善意のつもりが無残にも砕けることもたびたびで、この苦労は経験しないとわかりません。
改善の積み上げでいまでこそ多くのCSの方が使ってくれています。
それでもCSの方がすべて満足いただけることはあり得ません。
自分たちが感じれないレベルの方がおられるので症状が軽いかせめて中程度?までが精一杯で、すべての方が満足されるものへはかなりの道のりを要する挑戦だと思っています。
いつかそういう日が来るといいなとは思いますがまだまだ難かしく今でも
積み上げしかないと思っています。
そもそもCSそのものが少なくなるべきでその研究も大きく進むといいと思います。
一方でVOCの分解効率を上げる方法の実験を九大の名誉教授自らやってもらったり毎週検討会したりしています。
更に性能がいい製品が次々に出てくるように頑張っています。